環境問題が世界的に注目される中、私たちの日常生活のみならず、工業・産業用途においても欠かすことのできないポリ袋についても環境対応型へと変化しています。従来のポリ袋は分解に数百年を要し、自然環境への影響が懸念されてきました。しかし、技術の進歩により、環境に優しいポリ袋が開発されています。
最近では、企業イメージ向上のために、SDGsの動向に合わせて環境に配慮した製品を使用するお客様が増えており、環境に配慮した製品を使用して企業イメージを向上させたいというご相談をいただくことも増えております。この記事では、そんな環境対応ポリ袋の種類と用途に合わせた環境対応フィルムの選び方を紹介いたします!
バイオマスポリ袋は、植物由来の原料を使用して作られたポリ袋です。主にトウモロコシやサトウキビなどの植物由来の資源から作られ、従来の化石燃料を原料とするポリ袋と比べて、二酸化炭素の排出量を削減できるため、カーボンニュートラルの実現に貢献することができます。また、バイオマスポリ袋は、使用後の焼却時にも環境への負荷が少ないとされています。しかし、バイオマス資源の生産には農地が必要であるため、食料との競合や生態系への影響も考慮する必要があります。
また、バイオマス素材の配合率が25%以上の袋は、2020年7月1日以降のレジ袋有料化の対象外であるため、無料で配布することが可能です。
リサイクルポリ袋は、一度使用して廃棄されたプラスチックをリサイクルすることによって、再度プラスチックとして利用するために処理した再生プラスチックを材料としてつくられています。リサイクルの手法は廃プラを原料にして新しく製品をつくる「マテリアルリサイクル」と、熱分解によってほかの化学品に変える「ケミカルリサイクル」の2種類が主ですが、ポリ袋においては「マテリアルリサイクル」が主です。
リサイクルポリ袋は透明度が低くなるため、視認性を必要としない製品(タイヤやもみ殻など)の保管等の仕様にオススメです。
生分解性ポリ袋は、微生物の作用によって自然環境中で分解される材料で作られています。これらのポリ袋は、特定の条件下(例えば、土壌や海水中)で、水と二酸化炭素に分解されるため、従来のポリ袋が引き起こす環境問題を軽減できます。生分解性ポリ袋の原料には、バイオマス由来のものや、化学的に改変されたポリマーなどがあります。ただし、完全に分解するまでの時間は製品によって異なり、環境条件によっては分解が進まない場合もあるため、使用後の適切な処理が求められます。
また、海生分解性のプラスチック袋は、バイオマス25%以上の袋と同様に、レジ袋有料化の対象となりません。
名称 | 特徴 |
---|---|
バイオマスポリ袋 | ・植物由来の原料 ・レジ袋有料化対象外 |
リサイクルポリ袋 | ・一度廃棄されたプラスチックのリサイクル品 ・内包物の視認性が低い |
生分解性ポリ袋 | ・特定の状況下で水と二酸化炭素に分解される ・レジ袋有料対象外 |
ここまで、バイオマスポリ袋・リサイクルポリ袋・生分解性ポリ袋の3種類の環境対応ポリ袋とその特徴を紹介してまいりました。ここから、これまでいただいた環境対応のご相談に対し、パッケージ・ラボがお客様のニーズや状況に合わせて提案した環境対応ポリ袋の事例を紹介いたします。
内包物 | 紙製品 |
機能性 | 環境配慮(SDGs)、省力化、バイオマス |
製品分類 | フィルム、梱包資材 |
業界 | 生活・娯楽・観光、小売業、官公庁 |
材質 | バイオマスプラ(植物由来原料配合) |
こちらは、バイオマスプラスチックを使用した工業品向けの梱包資材であり、バイオマスポリ袋と呼ばれる袋の事例となります。環境に配慮した製品を使用して企業イメージを向上させたいと、当社にご相談いただきました。
内包物 | 医薬品、食品 |
機能性 | 開閉自在、環境配慮(SDGs)、生分解性、バイオマス |
製品分類 | フィルム |
業界 | 医療・福祉、生活・娯楽・観光 |
材質 | バイオマスプラ(植物由来原料配合) |
包装資材 | 単層フィルム、チャック付袋 |
加工 | ボトムシール |
こちらの製品は、アクセサリーや日用品、医薬品などに使用されるバイオマスユニパック(チャック付ポリエチレン)に関する事例です。お客様からは、CO2の排出量を懸念されており、少しでも削減したいということで当社にご相談していただきました。
当社では、植物由来原料30%(サトウキビ)とリサイクル原料40%を使用するご提案をさせていただきました。
内包物 | 産業廃棄物 |
機能性 | 環境配慮(SDGs)、省力化、生分解性 |
製品分類 | フィルム、梱包資材 |
業界 | 食品製造業 |
材質 | 生分解性プラ(微分生物により分解) |
包装資材 | 平袋 |
加工 | 製袋加工 |
こちらの製品は、コンポスト(堆肥化)の生分解性フィルムです。
お客様は、食料残渣を廃棄する際に通常のポリエチレン袋を使用していましたが、食糧残渣を堆肥化する際、袋が分解されないため分解作業が困難だとお悩みでした。
>>続きはこちら!
内包物 | 生活用品、食品 |
機能性 | 環境配慮(SDGs)、生分解性、バイオマス |
製品分類 | フィルム |
業界 | 生活・娯楽・観光 |
材質 | 海洋性生分解性フィルム |
包装資材 | 手提げ袋、多層フィルム |
加工 | 製袋加工 |
こちらの製品は、買い物袋・ゴミ袋等に使用される海洋生分解性ポリ袋に関する納入事例です。お客様は、プラスチック製のゴミが海洋に捨てられ、溜まり続けており、海洋生物が餌と間違えて食べてしまうという問題を抱えており、問題解決のために当社にご相談いただきました。
バイオマスポリ袋、リサイクルポリ袋、生分解性ポリ袋、世の中には環境対応のポリ袋が多数ございます。
当社であれば、過去に様々なお客様のご要望に対応してきた豊富な実績がございますので、お客様の課題を解決する環境対応の素材の選定・パッケージのご提案が可能です。
環境対応のフィルム・袋でお困りごとをお抱えのお客様がおられましたら、ぜひパッケージ・ラボにご相談ください!