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ポリ袋に現れる白い粉の正体は?ブリードアウト現象と対策について解説!

ポリエチレンフィルムの表面に白い粉のようなものが付着している?!と思ったことはありませんか?
納品された当初はきれいな状態だったのに、いつのまにか白っぽくなっているという現象が起こる場合があります。
これが「ブリートアウト現象」です。
そこで今回はブリードアウト現象について解説していきます。

▼▼目次▼▼
1、ブリードアウト現象とは
2、ブリードアウト現象の原因
3、ブリードアウト現象の対策方法
4、パッケージ・ラボのブリードアウト対策事例
5、まとめ

1.ブリードアウト現象とは

ブリードアウト現象とは、時間の経過に伴い、フィルム上に白い粉のようなものが発生する現象です。
特にこの現象が発生しやすいのが低密度ポリエチレン(LLD)の材質です。
この白い粉の正体は、ポリエチレンフィルム製造時に練り込まれる「添加剤」です。
添加剤には、フィルムの滑りを良くするためのスリップ剤、フィルム製造工程で炭化させないようにするための酸化防止剤、静電気を帯びないようにするための帯電防止剤、フィルム同士の接着を防ぐアンチブロッキング剤などさまざまな種類があります。
これらの添加剤が、使用環境によりますが長期間経過するとフィルムの表面に白く浮かび上がってくるのです。

2.ブリードアウト現象の原因

白い粉の正体が「添加剤」であるということが分かりました。
では、どういった条件で添加剤が浮かび上がってくるのでしょうか?

そもそも添加剤が浮かび上がる要因は、原料樹脂との親和性に関係しています。親和性の低い添加剤ほどブリードアウトしやすくなります。
前述した添加剤はそれぞれの機能を果たす一方、フィルム原料と添加剤の親和性が良くないと、使用環境によっては粉体として現れるというメカニズムです。
こうしたブリードアウトが起こりやすい主な環境条件は、「高温・多湿」と言われています。

3.ブリードアウト現象の対策方法

ブリードアウトの原因が、添加剤と使用環境にあるとするならばどういった対策方法があるのでしょうか?
2つの対策方法をみてみましょう。

対策方法①

・保管期間

原則、長期間(半年間以上)の保管はおすすめしません。保管環境にもよりますが、時間の経過と伴にフィルムの劣化も進みますので計画的な使用を推奨します。


・保管環境

前述した通り、ブリードアウトが起こりやすい一番の条件は「高温・多湿」の環境です。この環境で保管しますと、早ければ数日で現われる可能性もゼロではありません。
特に春から夏にかけての季節の変わり目や、猛暑の夏場は注意が必要です。
最適条件としては、温度10~20℃、湿度40%程度で直射日光を避けた風通しのよい保管環境を推奨します。

※例外:重袋などブリードアウトを利用して静電防止効果を出す製品に関しては、冬時期などは意図的に加温室にいれてブリードアウトをさせる場合もあります。


対策方法②

添加剤を使用していない無添加ポリエチレンを使用する。

ブリードアウトは起こりませんが、添加剤を使用していないため口開きが悪い、通常のポリ袋よりも概ね30~40%程度価格が高いといったデメリットもあります。

4.パッケージ・ラボのブリードアウト対策事例

当社のお客様で、ブリードアウトにより粉化した添加剤が製品(内包物)に付着して困ったという声がありました。
その際、当社がご提案した内容は「無添加ポリエチレン袋」です。
お客様は他社にも相談されていましたが、サンプル提供に費用がかかると言われたため検討を中断していたようでした。
当社であれば物性表による素材の提案に加え、サンプル品を無償で提供することで、お客様の精密な製品を守る大切な役割を果たすパッケージを、不安要素を取り除いて検討頂くことに注力いたしました。
また、添加剤が入っていないことにより黄変防止になるメリットもあることをお伝えしたところ、その点も課題になっていたようで、ブリードアウトと黄変の2つの課題を解決することができました。
現在も継続的に使用して頂いており、以前のような問題は起こらなくなったとお喜びの声もいただきました。
当社ではお客様とのコミュニケーションを通して、潜在的な課題を見出し、お客様と共に解決していくご提案をいたします。

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5.まとめ

ポリ袋に現れる白い粉体は「添加剤」であり、それは時間の経過と使用する環境によって発生するものということが分かりました。
添加剤が悪さをしているイメージが先行しがちですが、添加剤入っていることで生産効率が上がり、製品が守られる場合も多数あります。
これらのメリット・デメリットを踏まえて、お客様の製品はどのようなポリ袋を使用したほうがよいのかなどご提案いたします。
弊社多数の原料メーカーと取引きがありますので、添加剤に関するお悩みも随時ご相談ください。

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