ポリ袋は、食品から工業製品まで幅広く使われる包装材ですが、「ブロッキング」という現象によって、製造や保管、そして最終的には企業の信頼性に関わる深刻な問題を引き起こす可能性があります。本コラムでは、ポリ袋のブロッキング現象について、その原因や影響、そして具体的な防止策まで詳しく解説していきます。
▼▼目次▼▼
1.ポリ袋のブロッキングとは?
- ブロッキングの基本的なメカニズム
- ブロッキングが発生する理由
2.ブロッキングが与える影響
- 製造工程における影響
- 最終製品の品質に与える影響
- コストへの影響
3.ブロッキングの防止策
- 適切な材料の選択
- 製造プロセスの見直し
- 袋の内側の帯電と対策の課題
4.まとめ
ポリ袋のブロッキングは、袋の内面同士が接触してくっつく現象で、さまざまな要因が関係しています。保管時の温度・湿度による影響に加え、帯電も原因の一つです。特に袋の内側が静電気によって帯電することで、袋がくっつきやすくなります。
ブロッキングの主な原因には、帯電やブリード現象があります。袋の内側が帯電すると、除電が難しく、袋同士がくっつきやすくなります。また、袋の中に含まれる成分がブリード(滲み出し)し、上下のフィルムに密着することもあります。特にインフレーション後から長期間保管された袋や、厚みのあるフィルムでは、2年以上経過するとブリードによる密着が起こりやすくなります。これらの要因を踏まえた適切な対策が求められます。
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ブロッキングは、製造工程において様々な問題を引き起こします。まず、袋同士がくっついてしまうと、生産性の低下に繋がります。再ブロー処置を行い、改善を試みる場合もありますが、製造コストの増加や納期遅延を引き起こす原因となります。
ブロッキングが最終製品に与える影響は深刻です。袋同士がくっついた状態で消費者に届けられると、袋が破れたり、使用時に不便が生じたりする可能性があります。また、ブロッキングにより袋の表面にシワや折れ目がつくことがあり、これが製品の見た目を損ないます。消費者からのクレームが増える原因となり、企業の信頼を損なうリスクもあります。品質の低下は、ブランドイメージに直接影響を与えるため、注意が必要です。
ブロッキングによるコストへの影響は無視できません。まず、ブロッキングが発生した袋を分離する作業に手間がかかり、その分人件費が増加します。また、不良品として廃棄される袋が増えることで、廃棄コストが発生します。さらに、ブロッキングを防止するための追加の設備や材料の導入もコスト増加の要因となります。これらのコストは、最終的には製品価格に反映されるため、競争力の低下にも繋がりかねません。
ブロッキングを防ぐためには、袋の材質選定が重要です。特に、帯電を防止するフィルムの使用が有効です。ただし、帯電防止フィルムを使用すると、逆にブリードが発生しやすくなるという課題もあります。長期間の保管が必要な場合には、帯電防止フィルムの効果とブリードのリスクを十分に考慮した材料選定が重要です。お客様の用途や保管期間に応じた材料選択が鍵となります。
製造プロセスでも、帯電やブリード対策を講じることができます。まず、袋の外側には徐電機を使用して帯電を防ぐ対策が可能です。しかし、内側の帯電はインフレーション工程に依存するため、ここでの除電対策も求められます。また、長期保管が必要な製品の場合は、製造直後の温度や湿度管理を見直すことで、ブリードのリスクを低減することが可能です。
袋の表側には徐電機を用いて帯電を防ぐことが可能ですが、袋の裏側については、インフレーション工程に依存するため、対策が限定的です。対策として帯電防止フィルムの使用が考えられますが、長期保管を前提とする場合、帯電防止フィルムは逆にブリード現象が発生しやすくなり、密着するリスクもあります。そのため、保管期間や使用環境に合わせた材料選択が重要です。
ポリ袋のブロッキングは、製造現場や保管においてさまざまな問題を引き起こす可能性があります。しかし、適切な対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることが可能です。ブロッキングを対策するにはその袋の用途と期間を踏まえた対応策を講じることが最も重要です。ブロッキングでお困りのお客さまは是非一度ご相談ください。
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