私たちの暮らしに欠かせない「段ボール」。引っ越しや宅配便、商品陳列や保管など、さまざまな場面で活躍しています。でも、その構造や種類については意外と知られていないのではないでしょうか?
今回は、段ボールの基礎知識から、当社で取り扱っている段ボール関連商品まで、分かりやすくご紹介します!
▼目次
段ボールは、波形の中芯(フルート)をライナと呼ばれる板紙で挟んだ構造になっています。この構造により、軽量でありながら高い強度を持ち、衝撃吸収性や断熱性にも優れています。
中芯の波形には種類があり、一般的には以下のようなタイプがあります。
フルートの種類
フルート種 | 厚み目安 | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|---|
Aフルート | 約5mm | クッション性が高い | 家電・精密機器など |
Bフルート | 約3mm | 強度と印刷性のバランスが良い | 一般包装・食品など |
Cフルート | 約4mm | AとBの中間、欧米で主流 | 重量物・海外輸出向け |
Eフルート | 約1.5mm | 薄くて見た目もきれい | ギフト箱・ディスプレイ |
Fフルート | 約1mm以下 | 超薄型で精密印刷向き | 化粧品・小物包装など |
Wフルート | 複合構造 | 二重構造で強度重視 | 機械部品・重量物輸送 |
ライナの種類
段ボールの表面紙(ライナ)には、その紙の原料と強度グレードに基づく規格が存在します。
特に日本国内で流通している段ボールには、以下の5つの規格がよく使われています。
C:ジュートライナ(古紙主体の再生紙)
K:クラフトライナ(バージンパルプ主体の強度紙)
数字(5・6・7など):紙の強度ランク(数字が大きいほど丈夫)
規格 | 坪量(目安) | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
C5 | 120g/㎡ | コスト重視、再生紙で環境配慮 | 軽量品、内装仕切りなど |
C6 | 200g/㎡ | C5より強く、多少重めの商品にも対応 | ※ほとんど出回らず、K6で代用することが多い |
K5 | 170g/㎡ | Cよりもバージンパルプ含有量が高く、ある程度の強度もあり多く利用される | 一般段ボール箱、輸送用 |
K6 | 210g/㎡ | K5より強靭で海外発送にも適す | 工業部品、重量物 |
K7 | 280g/㎡ | 最も強度が高く、重梱包に最適 | 精密機械・重量商品・輸出用梱包 |
強度:C5<C6<K5<K6<K7
段ボールシートとは、段ボール箱などの製品に加工される前の平板状の段ボール素材です。用途や加工目的に応じて、「そのまま使う」「カット・打ち抜きする」「折って箱にする」など、多彩な展開が可能です。
部材名 | 役割 |
---|---|
ライナ | 外側の平面部分。表ライナと裏ライナがある。 |
中芯(フルート) | 内側の波形部分。強度とクッション性を担う。 |
段ボールシートは以下のような用途で使われています。
用途 | 活用例 |
---|---|
箱製造用素材 | A式・B式・C式など各種段ボール箱の原料に |
緩衝材・仕切り材 | カットして商品間の干渉防止に |
パレットシート | 荷物の底敷きや仕切りに使用 |
表示板・什器 | POP、展示パネル、什器パーツなど |
クラフト用途 | DIY、模型、教育資材としても活用可能 |
段ボールシートはそのままでも使用できますが、加工を加えることで用途の幅が広がります。
最も身近な段ボール製品といえば、「段ボール箱」ではないでしょうか。
段ボール箱はJIS規格で「A式」「B式」「C式」など、構造に応じて分類されています。
種類 | 構造の特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
A式(みかん箱型) | 天・底フラップをテープで止めて組み立てる基本形。平板で納品可能。 | 引越し箱、物流、汎用包装 |
B式 | フタや底面が差込み式になっている箱 (差し込み式・組み立て式・簡易ワンタッチ式) | 小売商品、軽量ギフト包装 |
C式(蓋・身式) | 本体とフタが分かれている2ピース型。上から被せる形。 | 贈答用、化粧箱、保管箱 |
N式 | 1枚で形成されたフタ付きの組み立て式の箱 | 通販箱、作業効率重視の場面 |
サイズや形状も多種多様で、オーダーメイド対応も承っております。
箱の用途やブランドイメージに合わせて、さまざまな加工が可能です。
オーダーメイドする場合、以下の情報があるとスムーズです。
これらをもとに、最適なフルート・構造・強度・印刷仕様をご提案できます。
巻き段ボールとは、段ボールシートをロール状に巻いた状態で販売される梱包資材です。
通常の箱型段ボールとは違い、自由なサイズ・形状の物にフィットするのが特徴で、「包む」「巻く」「仕切る」など幅広い用途で使われています。
巻き段ボールは、主に以下の構造でできています。
用途 | 具体例 |
---|---|
包装保護材 | 家具、家電、陶器、ガラス製品などの保護巻きつけ |
緩衝材代わり | 箱の中で隙間を埋めたり、商品を包んで固定 |
簡易な仕切り | 長尺製品の間仕切り、製品同士の干渉防止 |
床・壁の養生 | 引越しや工事現場での傷防止用養生シート |
ラップ代替 | 梱包時の一時的な固定用・巻きつけ用 |
特徴 | 詳細 |
---|---|
柔軟性 | 曲げやすく、丸みのある物体にもフィット |
軽量 | 片面構造のため軽く、持ち運びもラク |
カット自由 | カッターやハサミで簡単に切断でき、無駄が少ない |
コストパフォーマンス | 1ロールあたりの使用面積が広く、経済的 |
エコ素材 | 古紙配合率が高く、リサイクルもしやすい |
段ボールはリサイクル率が非常に高く、環境に優しい素材としても注目されています。古紙配合率の高いエコ段ボールや、FSC認証取得素材を使った製品もあります。
段ボールの大部分は、古紙(古段ボール)を再利用して作られています。
製品には「古紙配合率表示」があり、企業の環境姿勢のアピール材料にもなります。
段ボールに印刷を行う際も、環境配慮の観点が重要です。
環境対応印刷は、食品や化粧品など安心感を求められる業種でも採用されています。
近年では、段ボール製什器・緩衝材・保冷資材など、プラスチック製品の代替としての開発が進んでいます。
配慮の種類 | 内容 |
---|---|
Reduce(削減) | 過剰包装を避け、最適サイズ・軽量設計で資源使用を抑制 |
Reuse(再使用) | 折りたたみ可能な箱や、繰り返し使える収納箱として活用 |
Recycle(再資源化) | 分別しやすい素材・構造で、リサイクル率向上を図る |
Replace(代替) | 発泡素材やビニール袋の代替に段ボール製資材を提案 |
サステナブルな社会を目指す企業様のパートナーとして、環境配慮型の梱包資材のご提案もお任せください!
段ボールは、単なる「箱」ではなく、保護・輸送・演出・環境対応など、さまざまな役割を担う重要な梱包資材です。当社では、お客様のニーズに応じた最適な段ボール製品をご提案いたします。
「こんな形状の箱はある?」「印刷もできる?」など、どんなことでもお気軽にご相談ください!
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