
製造現場における品質管理において、温湿度やホコリへの対策は徹底されていても、意外と盲点になりやすいのが「光(紫外線)」による品質不良です。
「窓際に保管していた樹脂パーツが黄色く変色してしまった・・・」
「出荷前の金属部品の表面防錆油が乾き、斑点状の変色が発生した・・・」
「電子部品の搬送用トレーが脆くなり、作業中に割れた・・・」
直射日光はもちろん、工場の窓から差し込む西日や、天井の照明から照射される微量な紫外線でも、長時間の保管によって工業部材は確実にダメージを受けています。
今回は、製造業の現場で起こる「紫外線トラブル」の具体例と、包装資材を活用した防護アプローチについて解説します。
紫外線(UV)は高エネルギーの波長を持つため、製品そのものや保護材の有機分子結合を破壊します。主に以下の3つの分野でトラブルが多発します。
・影響を受ける部材:自動車内装パーツ、家電用樹脂筐体、パッキン、コネクタ 等
・現象:紫外線を浴びることで樹脂が黄変(黄色く変色)したり、ポリマー鎖が切断されて柔軟性が失われ、衝撃で簡単にクラック(ひび割れ)や白化が生じたりします。


・影響を受ける部材:精密金属加工品、ベアリング、自動車用金属部品 等
・現象:保管中に防錆油を塗布した金属部品に光が当たると、油分が酸化・光分解を起こして防錆効果が低下します。その結果、局所的な酸化(斑点状の変色や微細な錆)が発生する原因となります。

・影響を受ける部材:半導体関連部材、フィルム基盤、UV硬化性接着剤を使用する組立品
・現象:製造工程間での仮保管時に不要な光を浴びることで、感光材の誤反応や、基材フィルムの寸法変化・物性変化が引き起こされます。
製品が屋外になくても、屋内で紫外線ダメージを受けるケースが多々あります。
・工場・倉庫の窓ガラス(透明ガラスはUV-A線を多く透過します)
・仮置き場の蛍光灯・高輝度照明(近接・長時間照射により影響が出ます)
・出荷待ちスペースのシャッター開口部(トラック積込時の直射日光)
特に工程間保管や、出荷前の長期在庫保管時において、「見落とされていた光」が徐々に製品を蝕んでいきます。

製品自体の材質を変えることが難しい場合、最も手軽で確実な対策は、保管・輸送時の包装材を最適な仕様に変更することです。
・アルミ袋(アルミ箔) / アルミ蒸着袋
金属層が紫外線や可視光線をほぼ100%反射・遮断。光による変質を防ぐだけでなく、極めて高い防湿・ガスバリア性を持つため、湿気や酸化を嫌う電子基板・精密金属部品の長期保管にも最適です。

・着色ポリエチレン袋 / 着色バリア袋
光を物理的に遮断する低コストな遮光袋。光に弱い樹脂パーツや感光材料の工程間搬送・仮保管などに手軽に導入できます。

・透明UVカットポリ袋・フィルム
特殊なUV吸収剤を配合した透明フィルム。「中身の品名・品番・状態を目視で検品したいが、窓際や照明からの紫外線ダメージは防ぎたい」という現場の作業性と品質保持を両立します。


製品の不具合やクレームが発生した際、温湿度だけでなく「保管場所の光環境」や「包装袋のUV透過率」が原因になっているケースは少なくありません。
・「工程間で仮置きしているパーツの変色が気になる」
・「透明性を保ちながら紫外線だけをカットする包装を探している」
弊社では、お客様が取り扱う部材の特性(金属・樹脂・電子部品など)保管環境に合わせて、最適なフィルム・袋をご提案いたします。素材サンプルの提供も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

スナック菓子の袋の内側が銀色にキラキラしているのは、実は紫外線などの「光」から中身を徹底的に守るためです。
1970年代のポテトチップスは「中身が見えて安心」という理由から透明な袋で販売されていましたが、店頭の蛍光灯や太陽光に含まれる紫外線を浴びることで、揚げ油が急速に酸化(過酸化脂質化)して風味や食感が落ちるトラブルが多発しました。
そこで採用されたのが、プラスチックフィルムに極薄のアルミニウムを蒸着させた「アルミ蒸着フィルム」です。
・紫外線をシャットアウト:光による油の酸化を防ぎ、揚げたての風味をキープ
・空気・湿気を遮断:パリっとした食感を長持ちさせる高いバリア性
「中身を見せない」という選択は、光による劣化を防ぎ、いつでも美味しい状態を届けるための重要な紫外線対策技術なのです。