
「どの緩衝材を使えばいいかわからない…」そんなお悩みはありませんか?
本記事では、代表的な緩衝材の特徴や適した使用シーンを比較しながら、包装現場で役立つ基礎知識を整理しました。
これからの包装改善やコスト見直しにお役立てください。
▼ 目次 ▼

ポリエチレン製のフィルムに空気を封入し、小さな気泡を連続的に並べたシート状の緩衝材です。
日本では「プチプチ」の愛称で知られ、これは川上産業株式会社の登録商標です。軽量で柔軟性があり、幅広い製品の梱包に使用されています。
気泡緩衝材の構造は主に以下の通りです。

粒のサイズも様々あり、包む製品によって使い分けることができます。
| 種類 | 粒径(mm) | 粒高(mm) | 特徴・用途 |
|---|---|---|---|
| 標準タイプ | φ10 | 3.5 | 雑貨・食品・文房具など幅広く使用可能 |
| 小粒タイプ | φ7 | 2.5 | 薄くかさばらず、小型製品に最適 |
| 大粒タイプ | φ20 | 8.0 | 重量物や大型商品の緩衝に適す |
| 特大粒タイプ | φ31〜32 | 13〜14 | 隙間充填・かさ上げ用途に最適 |
通常のエアキャップに加え、機能性を付与したタイプも多数あります。機能性フィルムを使用したり、異素材を貼り合わせたりすることで様々な用途に対応します。
| タイプ | 特徴・用途 |
|---|---|
| 静電気防止タイプ | 帯電防止加工。精密機器や電子部品向け。 |
| 防錆タイプ | 鉄などの金属を錆から守る防錆フィルムを使用。 |
| 紙複合タイプ | 外側がクラフト紙で環境対応・高級感のある外観。 |
| アルミ複合タイプ | 遮光・保温・保冷性能に優れ、温度管理が必要な製品に。 |
| 環境配慮タイプ | 再生原料・バイオマス・生分解性素材などSDGs対応。 |






| 形態 | 内容 |
|---|---|
| ロール品 | 最も一般的なタイプ。必要な長さにカットして使用。 |
| カット品(断裁品) | 規定サイズに断裁済み。小物包装や作業効率化に。 |
| 製袋品 | 製品をそのまま入れるだけで簡単包装。テープ付きもあり。 |
ガラス・陶器・精密機器などの個別包装、家具・金属部品などの輸送保護、通販・EC商品の出荷用緩衝材、仕切り材・緩衝パッドとして段ボール箱内に使用、養生材・断熱材としても活用可能

エアー緩衝材は、空気の力で衝撃を吸収するクッション材です。
「エアークッション」「エアピロー」とも呼ばれ、ポリエチレンなどのフィルムに空気を封入した構造が特徴。軽量ながら高い緩衝性能を誇り、物流・梱包の現場で幅広く活用されています。
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ピロー型 | 空気を封入した袋状(ピロー)が連続してロール状になったタイプ。 必要な長さにカットして使用可能。 | 段ボール内の隙間埋めに最適 |
| バブル型 | 大きな独立気泡が並んだシート状。 柔軟に巻き付け可能で衝撃分散性能も高い。 | 製品への巻き付け保護、間仕切り、重ね梱包 |
・既製品タイプ
空気が封入された完成品として届き、そのまま使用できます。
・製造機+フィルムタイプ


専用のエアークッション製造機を用いて、現場でフィルムに空気を充填して使用します。

バラ緩衝材は、箱の中の空間を埋めるために使用される粒状(バラ状)のクッション材です。製品の周囲に詰めることで、輸送中の衝撃や揺れを吸収し、破損やズレを防ぎます。
形状:繭玉型・S字型・円筒型など、多様な形があり、絡み合うことで安定感を生み出します。
素材:主に発泡ポリエチレン(EPE)を使用。軽量で柔軟性・復元性に優れています。
環境配慮製品:再生原料タイプや生分解性タイプ(コーンスターチ製など)もあります。
| 使用方法 | 特徴・メリット | 主なシーン |
|---|---|---|
| バラのまま投入 | 少量ずつ自在に詰められ、細かな隙間を埋めるのに最適。 | 精密機器、雑貨、陶器など小型製品の梱包 |
| 袋詰めで使用 | 一定量を袋に詰めることで作業性が向上。大きな空間も効率よく埋められる。 | 大型製品の周囲のクッションや隙間埋め |

発泡シートとは、ポリエチレン樹脂を発泡させて作られたシート状の緩衝材です。やわらかく軽量で、クッション性・断熱性・防水性に優れていることから、幅広い業種で利用されています。一般的には「発泡ポリエチレンシート」や「PEシート」とも呼ばれ、代表的な商品として「ミラマット」「ライトロン」などが知られています。
優れたクッション性
細かい気泡構造により、衝撃や振動を吸収します。
精密機器やガラス製品、家具など、壊れやすい製品の保護に適しています。
軽量で扱いやすい
樹脂発泡体のため非常に軽く、作業効率が高いことも特長です。輸送コストの削減にもつながります。
防水・防湿性
ポリエチレン素材は水分を吸収しにくく、湿気や水濡れから内容物を守ります。
加工性が高い
カッティング、打ち抜き、熱溶着、製袋などが容易で、用途に応じた形状加工が可能です。
静電気対策品もあり
電子部品など静電気に敏感な製品向けには、帯電防止タイプや導電タイプの発泡シートも利用されています。
家電・OA機器・電子部品の梱包、家具や住宅建材の養生材、工業部品の仕切り材・スペーサー
食品トレーや保冷箱の断熱材、ギフトや化粧品などの保護シート
| 形態 | 内容 |
|---|---|
| ロール品 | 汎用的で、必要なサイズにカットして使用。 ライン包装や大型製品の養生にも◎ |
| カット品(断裁品) | 規格寸法に合わせてカット済み。作業効率重視の梱包現場に最適。 |
| 製袋品 | 製品を袋状に包み込むタイプ。繰り返し使用にも対応可能。 |
| 積層品(ラミネート) | 厚みを持たせたり、フィルムを貼り合わせて強度を高めた仕様。 |
主な積層品





紙緩衝材とは、その名の通り、紙を素材とした環境にやさしい緩衝材です。プラスチック素材の代替として注目が高まっており、リサイクル性・生分解性・廃棄のしやすさなどの点から、ECや物流、製造業など幅広い分野で採用が進んでいます。
環境にやさしい素材
再生紙やクラフト紙を使用することで、プラスチック削減や脱炭素化に貢献します。多くが古紙としてリサイクル可能です。
高いクッション性とフィット性
紙を波状や網状に加工することで、衝撃吸収性を確保。内容物に合わせて自在に形を変えられるのも特長です。
省スペース・保管性に優れる
専用機で必要な分だけその場で製造するタイプも多く、倉庫スペースの削減に役立ちます。
印象の良い見た目
自然な質感があり、ナチュラル・エコ志向ブランドの梱包資材としても好印象。ギフトや通販商品の演出効果も高いです。
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 紙パッキン | 紙を細長くカットした緩衝材。軽くてボリューム感があり、商品をやさしく包み込む。見た目を華やかにする効果も。 | ギフト、雑貨、化粧品など |
| 更紙・ボーガスペーパー | リサイクル紙を使用したシンプルな緩衝材。コスト重視の養生・充填用途に。 | 工業製品、輸送用の空間埋め |
| クッションペーパー | クラフト紙に細かい切れ目が入った伸縮性のある緩衝材。 両側から引っ張り、網目状に広げた状態で使用する。 | 陶器、ガラス製品など |
| ペーパーバブル | 紙を気泡緩衝材状にエンボス加工。プチプチの代替として使用可能。 | ギフト、EC出荷など |




紙緩衝材製造機
ロール紙を加工機械にセットし、必要な時に、必要な量の緩衝材を簡単に製造ができます。


巻き段ボールとは、段ボールをロール状に巻いた緩衝材のことです。
一般的な段ボール箱と同じく、ライナー(表面紙)とフルート(波形の中芯)で構成されていますが、ロール状になっているため、必要な長さにカットしてさまざまな用途に使うことができます。
柔軟性と加工性に優れる
ロール形状なので、曲面の形状にもフィットします。
家具・機械・筒状製品など、箱では包みにくい形状の製品保護に最適です。
高い緩衝性・保護性能
中芯の波形構造(フルート)が衝撃を吸収し、輸送中のキズやヘコミを防ぎます。
必要な長さにカットできる
ロール品のため、作業現場で必要な分だけ裁断可能。無駄が少なく、コスト効率に優れています。
リサイクル性が高く環境にやさしい
100%紙素材でできており、使用後は古紙としてリサイクルが可能です。
家具・建材・機械など大型製品の外装保護、家具・建材・機械など大型製品の外装保護、製品の間仕切り・スペーサー、工事現場や引越し時の床・壁の養生、包装ラインでの簡易包装・カバー材
・発泡ネット

発泡ポリエチレンを網目状(ネット状)に成形した緩衝材で、主に果実やワインの瓶などの外装保護としてに使用されます。
・段ボール製の組立式緩衝材
発泡スチロールやウレタンの代わりに段ボール構造で衝撃を吸収。環境対応型で注目される緩衝材の一つですが、設計者の経験やノウハウが必要になります。
緩衝材には、気泡緩衝材・エアー緩衝材・バラ緩衝材・発泡シート・紙緩衝材・巻き段ボールなど、さまざまな種類があります。
それぞれに衝撃吸収性・作業効率・コスト・環境性能といった異なる特長があり、製品の形状や重量、輸送条件によって最適な素材は変わります。
たとえば、軽量物の簡易包装には気泡緩衝材や発泡シートが適しており、環境対応を重視する場合は紙緩衝材や巻き段ボールが有効です。
また、すき間埋めにはバラ緩衝材やエアー緩衝材が活躍するなど、使用シーンに合わせた選定が包装品質を大きく左右します。
当社 パッケージ・ラボ では、こうした多様な緩衝材の特性を理解したうえで、
お客様の梱包目的・作業環境・コストバランスに合わせた最適な資材提案・別注対応を行っています。
「どの緩衝材を選べばいいかわからない」
「環境にやさしい包装に切り替えたい」
そのようなときは、ぜひ パッケージラボ にお問い合わせください。