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その緩衝材、本当に最適?種類ごとに特徴を解説します!

「どの緩衝材を使えばいいかわからない…」そんなお悩みはありませんか?
本記事では、代表的な緩衝材の特徴や適した使用シーンを比較しながら、包装現場で役立つ基礎知識を整理しました。
これからの包装改善やコスト見直しにお役立てください。

▼ 目次 ▼

1.気泡緩衝材

2.エアー緩衝材

3.バラ緩衝材

4.発泡シート

5.紙緩衝材

6.巻き段ボール

7.その他の緩衝材

8.まとめ

気泡緩衝材(エアキャップ・プチプチ)

ポリエチレン製のフィルムに空気を封入し、小さな気泡を連続的に並べたシート状の緩衝材です。
日本では「プチプチ」の愛称で知られ、これは川上産業株式会社の登録商標です。軽量で柔軟性があり、幅広い製品の梱包に使用されています。

気泡緩衝材の構造と種類

気泡緩衝材の構造は主に以下の通りです。

  • 2層品:表面に粒が出ている一般的な構造。しなやかでクッション性に優れます。
  • 3層品:粒を内側に挟んだフラット構造。裏表を問わず使え、滑り性と強度が高いのが特徴です。

粒のサイズも様々あり、包む製品によって使い分けることができます。

種類粒径(mm)粒高(mm)特徴・用途
標準タイプφ103.5雑貨・食品・文房具など幅広く使用可能
小粒タイプφ72.5薄くかさばらず、小型製品に最適
大粒タイプφ208.0重量物や大型商品の緩衝に適す
特大粒タイプφ31〜3213〜14隙間充填・かさ上げ用途に最適

通常のエアキャップに加え、機能性を付与したタイプも多数あります。機能性フィルムを使用したり、異素材を貼り合わせたりすることで様々な用途に対応します。

タイプ特徴・用途
静電気防止タイプ帯電防止加工。精密機器や電子部品向け。
防錆タイプ鉄などの金属を錆から守る防錆フィルムを使用。
紙複合タイプ外側がクラフト紙で環境対応・高級感のある外観。
アルミ複合タイプ遮光・保温・保冷性能に優れ、温度管理が必要な製品に。
環境配慮タイプ再生原料・バイオマス・生分解性素材などSDGs対応。

製品形態

形態内容
ロール品最も一般的なタイプ。必要な長さにカットして使用。
カット品(断裁品)規定サイズに断裁済み。小物包装や作業効率化に。
製袋品製品をそのまま入れるだけで簡単包装。テープ付きもあり。

用途例

ガラス・陶器・精密機器などの個別包装、家具・金属部品などの輸送保護、通販・EC商品の出荷用緩衝材仕切り材・緩衝パッドとして段ボール箱内に使用、養生材・断熱材としても活用可能

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エアー緩衝材

エアー緩衝材は、空気の力で衝撃を吸収するクッション材です。
「エアークッション」「エアピロー」とも呼ばれ、ポリエチレンなどのフィルムに空気を封入した構造が特徴。軽量ながら高い緩衝性能を誇り、物流・梱包の現場で幅広く活用されています。

エアー緩衝材の種類

種類特徴主な用途
ピロー型 空気を封入した袋状(ピロー)が連続してロール状になったタイプ。
必要な長さにカットして使用可能。
段ボール内の隙間埋めに最適
バブル型大きな独立気泡が並んだシート状。
柔軟に巻き付け可能で衝撃分散性能も高い。
製品への巻き付け保護間仕切り重ね梱包

エアー緩衝材の製品形態

・既製品タイプ

空気が封入された完成品として届き、そのまま使用できます。

  • 機械不要・手軽に導入が可能です。
  • 小ロット対応が可能なので、出荷数が少ない現場にも適しています。
  • 注意点:保管時のスペース確保が必要になります。また大量に使用する際はコスト増につながる場合もあります。

・製造機+フィルムタイプ

専用のエアークッション製造機を用いて、現場でフィルムに空気を充填して使用します。

  • 現場で空気を充填するため、省スペース保管大量生産に最適です。
  • コンパクトな卓上型製造機が主流。
  • 製造機の初期導入コストがかかります(購入またはレンタル)。
  • 長期・多量使用の場合、ランニングコストを抑えることができます。

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バラ緩衝材

バラ緩衝材は、箱の中の空間を埋めるために使用される粒状(バラ状)のクッション材です。製品の周囲に詰めることで、輸送中の衝撃や揺れを吸収し、破損やズレを防ぎます。

主な特徴

形状:繭玉型・S字型・円筒型など、多様な形があり、絡み合うことで安定感を生み出します。

素材:主に発泡ポリエチレン(EPE)を使用。軽量で柔軟性・復元性に優れています。

環境配慮製品:再生原料タイプや生分解性タイプ(コーンスターチ製など)もあります。

バラ緩衝材の使い方と用途

使用方法特徴・メリット主なシーン
 バラのまま投入   少量ずつ自在に詰められ、細かな隙間を埋めるのに最適。精密機器、雑貨、陶器など小型製品の梱包
袋詰めで使用一定量を袋に詰めることで作業性が向上。大きな空間も効率よく埋められる。大型製品の周囲のクッションや隙間埋め

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発泡シート

発泡シートとは、ポリエチレン樹脂を発泡させて作られたシート状の緩衝材です。やわらかく軽量で、クッション性・断熱性・防水性に優れていることから、幅広い業種で利用されています。一般的には「発泡ポリエチレンシート」や「PEシート」とも呼ばれ、代表的な商品として「ミラマット」「ライトロン」などが知られています。

主な特徴

優れたクッション性
細かい気泡構造により、衝撃や振動を吸収します。
精密機器やガラス製品、家具など、壊れやすい製品の保護に適しています。

軽量で扱いやすい
樹脂発泡体のため非常に軽く、作業効率が高いことも特長です。輸送コストの削減にもつながります。

防水・防湿性
ポリエチレン素材は水分を吸収しにくく、湿気や水濡れから内容物を守ります。

加工性が高い
カッティング、打ち抜き、熱溶着、製袋などが容易で、用途に応じた形状加工が可能です。

静電気対策品もあり
電子部品など静電気に敏感な製品向けには、帯電防止タイプや導電タイプの発泡シートも利用されています。

用途例

家電・OA機器・電子部品の梱包、家具や住宅建材の養生材、工業部品の仕切り材・スペーサー
食品トレーや保冷箱の断熱材、ギフトや化粧品などの保護シート

形態内容
ロール品汎用的で、必要なサイズにカットして使用。
ライン包装や大型製品の養生にも◎
カット品(断裁品)規格寸法に合わせてカット済み。作業効率重視の梱包現場に最適。
製袋品製品を袋状に包み込むタイプ。繰り返し使用にも対応可能。
積層品(ラミネート)厚みを持たせたり、フィルムを貼り合わせて強度を高めた仕様。

主な積層品

紙緩衝材

紙緩衝材とは、その名の通り、紙を素材とした環境にやさしい緩衝材です。プラスチック素材の代替として注目が高まっており、リサイクル性・生分解性・廃棄のしやすさなどの点から、ECや物流、製造業など幅広い分野で採用が進んでいます。

主な特徴

環境にやさしい素材
再生紙やクラフト紙を使用することで、プラスチック削減や脱炭素化に貢献します。多くが古紙としてリサイクル可能です。

高いクッション性とフィット性
紙を波状や網状に加工することで、衝撃吸収性を確保。内容物に合わせて自在に形を変えられるのも特長です。

省スペース・保管性に優れる
専用機で必要な分だけその場で製造するタイプも多く、倉庫スペースの削減に役立ちます。

印象の良い見た目
自然な質感があり、ナチュラル・エコ志向ブランドの梱包資材としても好印象。ギフトや通販商品の演出効果も高いです。

紙緩衝材の主な種類

種類特徴主な用途
紙パッキン紙を細長くカットした緩衝材。軽くてボリューム感があり、商品をやさしく包み込む。見た目を華やかにする効果も。ギフト、雑貨、化粧品など
更紙・ボーガスペーパーリサイクル紙を使用したシンプルな緩衝材。コスト重視の養生・充填用途に。工業製品、輸送用の空間埋め
クッションペーパークラフト紙に細かい切れ目が入った伸縮性のある緩衝材。
両側から引っ張り、網目状に広げた状態で使用する。
陶器、ガラス製品など
ペーパーバブル紙を気泡緩衝材状にエンボス加工。プチプチの代替として使用可能。ギフト、EC出荷など

紙緩衝材製造機
ロール紙を加工機械にセットし、必要な時に、必要な量の緩衝材を簡単に製造ができます。

PadPak®Sr.(パドパック シニア)

巻き段ボール

巻き段ボールとは、段ボールをロール状に巻いた緩衝材のことです。
一般的な段ボール箱と同じく、ライナー(表面紙)とフルート(波形の中芯)で構成されていますが、ロール状になっているため、必要な長さにカットしてさまざまな用途に使うことができます。

主な特徴

柔軟性と加工性に優れる
ロール形状なので、曲面の形状にもフィットします。
家具・機械・筒状製品など、箱では包みにくい形状の製品保護に最適です。

高い緩衝性・保護性能
中芯の波形構造(フルート)が衝撃を吸収し、輸送中のキズやヘコミを防ぎます。

必要な長さにカットできる
ロール品のため、作業現場で必要な分だけ裁断可能。無駄が少なく、コスト効率に優れています。

リサイクル性が高く環境にやさしい
100%紙素材でできており、使用後は古紙としてリサイクルが可能です。

用途例

家具・建材・機械など大型製品の外装保護、家具・建材・機械など大型製品の外装保護、製品の間仕切り・スペーサー、工事現場や引越し時の床・壁の養生、包装ラインでの簡易包装・カバー材

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その他の緩衝材

・発泡ネット

発泡ポリエチレンを網目状(ネット状)に成形した緩衝材で、主に果実やワインの瓶などの外装保護としてに使用されます。

・段ボール製の組立式緩衝材
発泡スチロールやウレタンの代わりに段ボール構造で衝撃を吸収。環境対応型で注目される緩衝材の一つですが、設計者の経験やノウハウが必要になります。

まとめ

緩衝材には、気泡緩衝材・エアー緩衝材・バラ緩衝材・発泡シート・紙緩衝材・巻き段ボールなど、さまざまな種類があります。
それぞれに衝撃吸収性・作業効率・コスト・環境性能といった異なる特長があり、製品の形状や重量、輸送条件によって最適な素材は変わります。

たとえば、軽量物の簡易包装には気泡緩衝材や発泡シートが適しており、環境対応を重視する場合は紙緩衝材や巻き段ボールが有効です。
また、すき間埋めにはバラ緩衝材やエアー緩衝材が活躍するなど、使用シーンに合わせた選定が包装品質を大きく左右します。

当社 パッケージ・ラボ では、こうした多様な緩衝材の特性を理解したうえで、
お客様の梱包目的・作業環境・コストバランスに合わせた最適な資材提案・別注対応を行っています。

「どの緩衝材を選べばいいかわからない」
「環境にやさしい包装に切り替えたい」
そのようなときは、ぜひ パッケージラボ にお問い合わせください。