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シュリンク包装(シュリンクパック)とは、熱で収縮するフィルムを商品に巻き付け、加熱することでフィルムが密着する包装方法です。主に 透明フィルム が使われるため、商品を見せながら保護できるのが大きな特徴です。食品や化粧品、日用品から工業製品まで幅広く利用されています。
シュリンク包装は以下の役割があります。
シュリンクフィルムを使った包装は、普段の生活で目にするさまざまなものに使われています。たとえば、食品ではペットボトルや缶飲料、瓶詰め商品、カップ麺や菓子箱に多く利用されています。化粧品や日用品の分野では、化粧水ボトルや洗剤、歯磨き粉などの包装に採用されており、工業製品では電子部品や工具の保護に用いられます。さらにギフトや販促用のセット商品にも活用されるなど、幅広い業界で利用されています。
形状 | 紙管巻![]() ![]() | 半折紙管巻き![]() ![]() | Rシール![]() | カット袋![]() |
| 包装形態 | 完全密封 | 完全密封 三方シール | 底スリーブ | 両スリーブ |
| 特徴 | シールが2ヵ所 店頭展示効果あり | 作業性が良く 量産に最適 | シールが1ヵ所 美粧性が高い | マルチな包装に 最適 |
| 用途例 | 紙筒品、缶製品など | 土産品、木工品、 電気製品、箱など | 化粧品 シャンプー、スプレーなど | カード 乾電池など |
シュリンクフィルムには、用途や商品特性に応じてさまざまな素材が使われています。
代表的な6種類について、それぞれの特徴をまとめます。
最も一般的に使われるフィルムで、収縮率が高く扱いやすいのが特徴です。透明性・光沢性にも優れているため、商品の見栄えを良くすることができます。ただし、自然収縮を起こしやすい、空間シールが破れやすい、帯電しやすいといった短所もあるため取扱いに注意が必要です。他のフィルムに比べて、価格は安価です。
透明性や熱収縮性に優れるほか、水蒸気透過率が良い素材です。しかし、耐衝撃性に劣る、有機溶剤などの耐薬品性が悪く軟化・溶解する性質があります。
強度と透明性のバランスが良く、リサイクル性に優れます。環境対応素材としても注目されており、食品や飲料の包装に適しています。ただし、収縮温度が高いため加工工程に工夫が必要であり、設備によっては使いにくい場合があります。
柔軟性があり、耐衝撃性とシール強度に優れるため、内容物をしっかり保護できるのが強みです。しかし、収縮にやや時間がかかります。また、透明度は高くありません。
非常に軽量で耐熱性・耐寒性に優れ、印刷加工がしやすい素材です。燃焼しても有害ガスを発生しないため、環境面での安心感もあります。ただし、ポリ塩化ビニル同様に自然収縮を起こしやすい、空間シールが破れやすいといった短所もあります。
収縮率が高く、突き刺しや引裂強度が強い点が特徴です。また、低温で収縮可能なため作業効率も良いです。ただし、開封性が悪いという短所があります。
| 材質 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| PVC塩化ビニル | 透明度が良い 低温で収縮できる 成形・加工適性に優れる コシがある 難燃性に優れる 電気絶縁性に優れる | 自然収縮を起こしやすい 空間シールが破れやすい 帯電しやすい |
| PSポリスチレン | 透明度が良い 水蒸気透過率が良い | 衝撃に弱い 耐薬品性(有機溶剤)が悪く、 軟化・溶解する |
| PETポリエチレン テレフタレート | 透明度が良い 耐薬品性が良い 強度に優れる 寸法安定性に優れている | 加工が難しい 収縮温度が高い |
| PEポリエチレン | 耐衝撃性に優れている シール強度が強い | 透明度が低い 収縮に時間がかかる |
| PPポリプロピレン | 印刷加工がしやすい 耐寒性に優れる | 自然収縮を起こしやすい |
| POポリオレフィン | 収縮率が高い 突刺し、引裂強度が強い 低温で収縮できる | 開封性が悪い |
シュリンクフィルムを熱収縮させる主な方法をご紹介します。
ヒートガンは高温の熱風を局所的に当ててフィルムを収縮させる手動式の方法です。ヘアドライヤーに似た形状で、温度調整やノズル交換が可能な工業用モデルが主流です。


<特徴とメリット>
・初期導入費が安く、設置場所を選ばない
・形状が複雑な製品や少量生産に適している
・必要なときだけ使用するため、電力消費を抑えやすい
<注意点>
・均一な収縮には熟練が必要なため、作業者の技術に依存してしまう
・作業時間が長いため、大量生産に不向き
・高温の熱風により火傷のリスクがあるため、安全対策が必要
■シュリンク例:箱 完全密封(シール加工あり)





シュリンクトンネルは、製品をフィルムで包んだ後、加熱トンネル内を通過させてフィルムを均一に収縮させる装置です。


<特徴とメリット>
・連続処理が可能で、大量包装に向いている
・むらなく均一に収縮し、仕上がりが美しい
・包装ラインに組み込みやすく、人的作業を削減できる
<注意点>
・装置価格や設置スペースが必要になるため、初期費用が高くなる
・常時加熱状態を維持するため、電力使用量が多い
・定期的な清掃や部品交換などメンテナンスが必要になる
■シュリンク例:ボトル容器 底スリーブ(シール加工無し)
■シュリンク方法の比較表
| 比較項目 | ヒートガン | シュリンクトンネル |
|---|---|---|
| 初期費用 | 低い | 高い |
| 生産量 | 少量向き | 大量向き |
| 仕上がり | 作業者の技術次第 | 均一で美しい |
| エネルギー効率 | 使用時のみ消費 | 常時稼働で高消費 |
| 設置スペース | 小さい | 大きい |
| 安全性 | 火傷リスクあり | 装置内で安全に処理 |
規格のシュリンク袋を使って、いろいろなものをシュリンクしてみた例を紹介します。以下は、ヒートガンを使用してシュリンクしています。
化粧箱



スプレー容器



文庫本



DVDケース



用途に応じて少量から使用できる、規格品のシュリンクフィルムを取り扱っています。
その他、別注のご要望も承っております。ぜひお問い合わせください。

| 内包物 | 生活用品、スポーツ用品 |
| 機能性 | 美粧性、改ざん防止、熱収縮 |
| 製品分類 | フィルム、梱包資材 |
| 業界 | 食品製造業、生活・娯楽・観光、小売業、通販事業、製造業 |
| 材質 | PVCシュリンク |
| 包装資材 | シュリンクフィルム、規格袋 |
シュリンクフィルムは、熱を加えると密着・収縮する包装材で、商品の外観を保護しながら、美しい透明感で見栄えを向上させるのが特長です。防汚・防塵効果に加え、陳列時の商品価値を高める目的で、・・・