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毎日の梱包作業が劇的に変わる!パレットストレッチ包装機導入のメリットと選び方

製造業や物流業界では、商品の保管や輸送の効率化が重要です。その中で、パレットストレッチ包装機は、荷物をしっかり固定し、安定した輸送を実現するための重要な機械です。本コラムでは、その仕組みやメリットについて詳しく解説します。

▼目次

1. パレットストレッチ包装機とは?
2. パレットストレッチ包装機のメリット
3. パレットストレッチ包装機の選び方
4. まとめ

1. パレットストレッチ包装機とは?

パレットストレッチ包装機は、パレットに積載された荷物をストレッチフィルムで包み込み、輸送や保管中の荷崩れ防止・防塵・防湿を目的とする包装機械です。物流や倉庫業、小売業、製造業など、幅広い分野で使われており、作業の効率化と包装品質の安定に大きく貢献しています。

この機械は、荷物にフィルムをしっかりと巻きつけることで、積み荷全体をひとつのユニットとして固定します。これにより、フォークリフトやトラックによる輸送中でも荷崩れが起こりにくくなり、安全性が高まります。また、ストレッチフィルムは透明なため内容物の確認が可能でありながら、ホコリや湿気から荷物を保護する役割も果たします。

包装方式にはいくつかの種類があり、代表的なものに「ターンテーブル式」「アーム回転式」「自走式」があります。それぞれ、荷物の種類や現場の作業環境に応じて選ばれます。また、操作方法にも違いがあり、手動型・半自動型・全自動型といったバリエーションが存在します。手動型は小規模な現場に、全自動型は大量出荷や無人化ラインに適しています。

フィルムのテンション調整、巻き数の設定、上下動作の速度制御など、さまざまな設定が可能なモデルも多く、包装の仕上がりを細かく調整できる点も特徴です。結果として、包装作業の省力化、フィルム使用量の削減、作業者の負担軽減といった効果が期待できます。パレットストレッチ包装機は、現代の物流現場に欠かせない設備の一つです。

 ターンテーブル式

ターンテーブル式パレットストレッチ包装機は、回転台(ターンテーブル)の上にパレットを載せて回転させ、その周囲にストレッチフィルムを巻きつけるタイプの包装機です。パレットそのものが回転するため、荷物が安定していて重量バランスが取れている場合に適しています。比較的シンプルな構造で、多くの現場で広く使われています。

この方式には大きく分けて「半自動型」と「全自動型」の2種類があります。

半自動型は、作業者がパレットをターンテーブルに設置し、フィルムの先端を荷物に手で取り付けてからスタートボタンを押して包装を開始するタイプです。包装が終わった後も、フィルムのカットや巻き終わりの処理を作業者が行います。操作が簡単で、比較的安価に導入できるのがメリットで、少~中規模の出荷現場に向いています。ただし、作業者の介在が必要なため、作業量が多い現場では人手の負担が大きくなります。

全自動型は、パレットの搬入からフィルムの取り付け、包装、カット、フィルムの末端の処理まで、すべてを自動で行う機種です。コンベアラインなどに組み込まれることが多く、大量出荷や省人化が求められる現場で活躍します。フィルムの消費量や包装品質が一定に保たれるため、効率化とコスト削減に貢献しますが、設備投資は高くなります。また、ライン設計やメンテナンス対応が必要です。

ターンテーブル式は、導入のしやすさと汎用性が高く、荷物の形状や現場の規模に応じて最適なモデルを選べる柔軟さが魅力です。半自動型は手軽さ、全自動型は生産性重視という明確な違いがあります。

 自走式ロボット

自走式パレットストレッチ包装機は、パレットに積載された荷物をストレッチフィルムで自動的に包装する機械で、移動機能を備えているのが特徴です。固定された包装機とは異なり、機械自体がパレットの周囲を自走して回転しながらフィルムを巻き付けるため、荷物を機械の位置まで運ぶ必要がありません。このため、倉庫や物流センターなどの現場で柔軟な運用が可能で、スペースの制限を受けにくいという利点があり倉庫内の荷物が点在している場合にとても便利です。

自走式の構造には、本体にセンサーやバンパーが搭載されており、パレットの大きさや形状を検知して、最適なフィルム巻きつけを実施します。操作者は機械をパレットの近くに配置し、スタートボタンを押すだけで包装作業が開始されるため、操作も比較的簡単です。また、バッテリー駆動であるため、電源コードに制限されることなく、広範囲での使用が可能です。

包装のモードやテンションの調整、フィルムの重ね巻き設定なども可能で、多様な包装ニーズに対応できます。特に不定形な荷物や大型パレットに対しても対応力が高く、小ロット多品種の物流に適しています。結果として、作業効率の向上や包装品質の均一化、省人化によるコスト削減などが期待できます。動力源は電気でバッテリー充電式です。

アーム回転式(手動型)

アーム回転式パレットストレッチ包装機は、固定されたパレットの周囲を回転アームが動いてフィルムを巻き付けるタイプの包装機です。この方式では、荷物を置いたパレット自体は動かさずに、回転するアームに取り付けられたフィルムロールが上下しながらフィルムを巻きつけていきます。荷物が軽量で不安定な場合でも、回転による遠心力の影響を受けにくいため、安定した包装が可能です。また、アームの回転速度やフィルムの引っ張り強さ(テンション)を調整することで、包装の強度やフィルムの使用量を制御できます。

この方式には自動型と手動型があり、なかでも手動型ではハンドルを回してアームを手動で回転させることでフィルムを巻きつけます。電源が不要で、構造もシンプルなため、導入コストが低く、小規模な現場や電源の確保が難しい場所での使用に適しています。ハンドル操作は作業者の労力を要するものの、包装速度を自分のペースで調整でき、簡単な点検やメンテナンスだけで長く使える利点があります。

アーム回転式は、特に重量物や不安定な荷姿への対応力に優れ、搬送機器と組み合わせた自動化ラインにも組み込みやすいため、多様な現場ニーズに応えることができます。手動型も含めて、包装の品質と作業性のバランスを取る上で有効な選択肢のひとつです。

2. パレットストレッチ包装機のメリット

荷崩れ防止と輸送の安定性向上

パレットに積まれた荷物は、フォークリフトでの運搬やトラック輸送の際に振動や衝撃を受けることが多く、適切に固定されていないと荷物がズレたり倒れたりして、破損や事故につながる可能性があります。

ストレッチ包装機は、伸縮性のあるフィルムをパレット全体にぴったりと巻きつけることで、荷物をしっかりと一体化させます。このフィルムは弾力性があるため、荷物の微細な動きにも追従しながら締め付けを維持し、パレット上の積載物が動くのを防ぎます。特に、高さがある積み荷や、不安定な形状の荷物にも効果的で、荷崩れによる商品損傷や人的被害のリスクを大幅に減らすことができます。

また、荷物がしっかりと固定されることで、積載の効率も向上し、トラック輸送時に無駄な隙間を減らせるため、積載率の向上や運送コストの削減にもつながります。運送中の横揺れや急ブレーキといった状況でも、フィルムによる固定があることで荷物の安定性が保たれ、安全でスムーズな輸送が可能になります。

結果として、ストレッチ包装は単なる「梱包」の域を超え、物流全体の品質と効率を支える重要なプロセスとして機能しています。

作業効率の向上と人件費削減

これらは物流現場や倉庫の生産性を高め、コストを抑えるうえで非常に重要な要素です。

まず作業効率の向上についてですが、手作業でストレッチフィルムを巻く場合、荷物の周囲を人が歩いて回りながら何重にも巻き付ける必要があります。これは重労働で時間もかかり、作業者のスキルや体力に依存します。一方、包装機を使えば、パレットを機械にセットしてボタンを押すだけで、フィルムが均一に、しかも短時間で巻き付けられます。半自動機でも人手による工程は最小限に抑えられ、全自動機であれば人の手をまったく介さずに包装作業が完了します。これにより、1日に処理できるパレット数が大幅に増加します。

次に人件費の削減という点では、作業にかかる人員や時間が減るため、結果として労働コストを抑えることが可能です。特に包装作業に複数人を配置していた現場では、包装機の導入によって人員を他の工程へ振り分けることができ、生産性の高い配置が可能になります。また、作業の標準化が図れるため、教育や訓練にかかる時間やコストも削減できます。

さらに、包装ミスや巻き不足・巻き過ぎといった作業のバラつきも防げるため、結果として無駄なフィルムの使用を減らし、資材コストの面でも効率化が図れます。

このように、パレットストレッチ包装機は、単に包装作業を自動化するだけでなく、現場全体の作業効率とコスト構造を見直すうえで大きな効果を発揮します。

包装コストの削減

まず、フィルムの使用量の最適化が挙げられます。包装機では、フィルムのテンション(引っ張り具合)や重ね巻きの設定を細かく調整できるため、必要最小限のフィルムで十分な固定力を得ることが可能です。特にプレストレッチ機能(フィルムを機械内部であらかじめ引き伸ばす機能)を備えたモデルでは、フィルム1メートルあたりのカバー面積を大幅に広げることができ、フィルムの使用量を大きく削減できます。

次に、包装作業の効率化と省人化です。手作業による包装では、人手がかかる上にフィルムの使用量にばらつきが出やすく、無駄が発生しやすくなります。一方、包装機を使えば作業が自動化され、作業者の人数を削減できるとともに、常に一定の品質で効率的に包装が行えます。このことは、人件費の削減や作業時間の短縮にもつながり、トータルコストの低下に寄与します。

また、フィルム破損や過剰包装のリスク低減も重要なポイントです。手作業では過剰にフィルムを巻いてしまったり、逆に巻きが不十分で荷崩れが起きたりすることがありますが、包装機ならば設定通りに安定した包装ができるため、フィルムの無駄使いや再包装の手間を防ぐことができます。

このように、パレットストレッチ包装機の導入はフィルム使用量の削減、人件費の抑制、作業時間の短縮、包装品質の安定といった面で包装コスト全体の削減に直結する、非常に効果的な投資といえます。

衛生面の向上

特に食品・医薬品・化粧品・精密機器など、衛生管理が重要な業種において、この点は非常に大きな利点です。

ストレッチフィルムでパレット全体をしっかりと包み込むことにより、輸送中や保管中に外部からのホコリ、花粉、虫、飛沫、汚れなどが荷物に直接付着するのを防ぐことができます。これにより、清潔な状態を保ちながら製品を目的地まで届けることが可能になります。

また、手作業での包装に比べて、包装の密着性と一貫性が高く、隙間ができにくいため、異物混入リスクの低減にもつながります。さらに、全自動・半自動タイプの包装機を使用すれば、作業者が荷物に直接触れる必要がほとんどなくなり、人的接触による汚染リスクも抑えられます。

倉庫内での長期保管時にも、包装された状態であれば汚れや湿気から内容物を保護でき、製品の品質維持に寄与します。とくに屋外保管や開放型倉庫での運用において、衛生面での効果は顕著です。

このように、パレットストレッチ包装機は包装作業の効率化だけでなく、製品の衛生状態を維持するための重要なツールとしても、高い効果を発揮します。

3. パレットストレッチ包装機の選び方

 包装する商品の特性とサイズに合わせる

パレットストレッチ包装機を選ぶ際は、まず包装する商品の特性とサイズを確認することが重要です。

形状
商品の形状が不規則であったり、非常に重い場合には、柔軟に対応できる機械を選ぶ必要があります。例えば、不定形な荷物や精密機器のように慎重に包装したい場合は、フィルムの引っ張り力やテンションを細かく調整できる機種を選ぶことが望ましいです。反対に、規則的な形状のパレット(例えば箱詰めされた商品)の場合は、標準的な包装機でも十分対応できます。

重さ
商品の重さも重要な選定基準です。重い商品を扱う場合、ターンテーブルの耐荷重が十分であるか、またはアーム回転式での安定した荷物保持ができるかを確認する必要があります。重量物の包装には、より強力で安定性の高い機器が求められます。

デリケートさ
特に壊れやすい商品(ガラス製品や精密機器)などの場合、包装の際の衝撃や過度な圧力を避けるため、フィルムの引張り強度や包装方法を調整できる機種が適しています。アーム回転式や自動テンション調整機能が備わった機械は、優れた選択肢となります。

パレットサイズ
使用するパレットのサイズ(標準的な1200mm×1000mmのものから、特注サイズのパレットまで)に合った包装機を選ぶことが大切です。ターンテーブル式やアーム回転式の機械には、対応可能なパレットサイズの範囲が決まっている場合があるため、事前に確認しておく必要があります。また、オプションでパレットサイズの調整が可能な機種もあります。

高さ
包装する商品の高さによっても、適切な包装機を選ぶ必要があります。高さが高い商品には、アームの可動範囲が広いタイプや、ターンテーブルの高さを調整できる機種が適しています。商品が高い場合、フィルムが均等に巻けるよう、アームが上下する動作範囲や包装スピードの調整が重要です。

包装速度と生産性を考慮する

商品の特性やサイズによって、包装速度も選定基準になります。大量に梱包する必要がある場合、全自動型のパレット包装機が効率的ですが、少量で多品種を扱う場合には半自動型や手動型の機械で十分なこともあります。作業現場での運用頻度や生産量に合わせて最適な包装速度を選ぶことが重要です。

• 手動式
小規模な現場や包装頻度が少ない場合に適しています。

• 半自動式
中規模な現場で利用され、フィルムの装着や取り外しは手動で行いますが、巻き付け自体は自動で行われます。

• 全自動式
大規模な現場に適しており、フィルム装着から包装完了まで全ての工程を自動で行います。

また、生産ラインに合わせた適切な包装速度を選ぶことも重要です。過剰な性能を持つ機械を選定してもコストが無駄になるため、必要な生産量に合った機種を選びましょう。

フィルムの使用効率とコストを比較する

パレットストレッチ包装機を選定する際には、フィルムの使用効率やコストも重要なポイントです。特に、フィルム引き伸ばし機能(プレストレッチ機能)を持つ機種は、フィルムを引き伸ばして使用することで使用量を削減しつつ、包装強度を保つことができます。

また、使用するフィルムの種類(標準フィルム、強化フィルムなど)も考慮する必要があります。適切なフィルムを選ぶことでコスト削減が可能になります。

 機能や操作性の確認

パレット包装機の選定では、機能面と操作性が重要です。機能面では、フィルムのテンション調整、重ね巻き、包装スピードの調整、荷物検知機能、異常検知機能などが、包装品質や効率に影響します。操作性では、直感的な操作パネル、プログラム可能な設定、メンテナンスのしやすさ、安全機能が使いやすさに大きく関わります。これらの要素を総合的に考慮し、現場のニーズに合わせた機械を選ぶことが重要です。
さらに、メンテナンス性もチェックポイントです。部品交換や清掃が容易な機種であれば、長期的な運用がスムーズになります。

 設置スペースの確認

機械を導入する場所に十分なスペースがあるかどうかを確認することで、運用時のスムーズさや安全性を確保できます。

ターンテーブルやアームの可動範囲を考慮したスペースが必要です。ターンテーブル式では、パレットを回転させるために広い直径のスペースが必要で、周囲に余裕がなければ機械の動作が制限される可能性があります。

予想される使用頻度や作業フローに合わせた最適な場所を選ぶことが必要です。事前に十分なスペースを確保しておくことで、後々のトラブルを避け、機械のパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

コストと導入効果のバランス

パレットストレッチ包装機を選ぶ際には、コストと導入効果のバランスを考慮することが重要です。高性能な機械ほど初期投資は高くなりますが、その分作業効率や包装品質の向上、フィルム使用量の削減など、長期的にはコスト削減や生産性向上につながる場合があります。例えば、全自動型の包装機は高額であるものの、無人化で大量のパレットを迅速に包装でき、労力や時間を大幅に削減できます。そのため、大量出荷を行う現場では、初期コストを上回る効果が期待できることがあります。

一方、少量生産や頻繁な品種変更を行う現場では、過剰な機能を持たない半自動型や手動型の機械を選ぶことで、コストを抑えつつ十分な効果を得ることが可能です。これにより、無駄な投資を避け、必要な機能だけを備えた機械を選定することができます。

最適な選定には、初期費用だけでなく、運用にかかるランニングコスト(メンテナンス、電力消費、フィルム費用など)も考慮し、長期的な視点で投資対効果を評価することが求められます。コストと効果のバランスを見極めることで、最適な機械を選ぶことができ、効率的かつ経済的な運用が可能となります。

4. まとめ

パレットストレッチ包装機は、物流や倉庫業務において、荷物を効率的に包装し、輸送中や保管中の安全性を高めるために不可欠な機械です。ターンテーブル式、アーム回転式、自走式などの種類があり、それぞれの特性に応じて最適な用途があります。これらの包装機は、作業効率を向上させるだけでなく、包装品質を安定させ、製品の保護や輸送時のリスクを最小限に抑えるメリットがあります。パレットストレッチ包装機を選ぶ際は、作業環境や商品の特性に合わせて最適なタイプを選定することが重要です。