ノンブリードタイプの静電防止袋は、従来の静電防止剤(界面活性剤)を表面ににじみ出させて効果を得るタイプとは異なり、高分子型の静電防止成分を樹脂そのものに組み込んだ高機能フィルムです。最大の特長は、外部環境の変化に左右されず、半永久的かつ安定した表面抵抗値を維持できる点にあります。また、添加剤が袋の表面に溶け出す「ブリードアウト現象」が発生しないため、内容物を化学的に汚染する心配がなく、最もクリーンな静電気対策が求められる現場で採用されています。
今回導入いただいたお客様は、車載向けの精密電子基板や高感度な光学センサーを製造されており、梱包材に起因する品質不良の解決が急務となっていました。 従来の界面活性剤を使用した静電防止袋では、時間の経過とともに表面に染み出した添加剤が製品の接点部分に付着し、通電不良や信号の誤作動を引き起こすリスクがありました。また、湿度が低い冬場には静電防止効果が著しく低下し、開封時の静電破壊(ESD)が多発するという課題も抱えておられました。加えて、添加剤による製品表面の「くもり」や「ベタつき」が、光学パーツの検査工程において致命的な欠陥として扱われ、歩留まりの低下を招いていました。
これらの課題を根本から解決するため、添加剤を一切使用しない「ノンブリードタイプ」の静電防止袋への全面切り替えをご提案いたしました。 このフィルムは、湿度に依存することなく常に安定した導電ネットワークを形成するため、超乾燥条件下でも確実な静電気対策が可能です。また、成分が中身に移行(ブリード)する心配が物理的にないため、接点不良や化学汚染の原因を完全に排除できます。製品が直接触れる梱包材として、化学的な安定性と物理的な保護性能を高い次元で両立させた、クリーンな梱包環境の構築を目的とした選定を行いました。
ノンブリードタイプの導入により、梱包材の成分付着に起因する通電不良や外観不良がゼロになり、製品の歩留まりは劇的に改善されました。 特に、長期間の輸送や海外輸出を伴う保管においても、静電防止効果が減衰することなく維持されるため、納品先での開封時トラブルが解消され、製品の信頼性が大きく向上しました。また、従来は添加剤の付着を防ぐために行っていた製品の個別養生や、後工程での洗浄作業が不要になったことで、梱包コストと作業時間の双方を大幅に削減することに成功しました。最高レベルの品質管理が求められる精密機器分野において、不可欠なインフラとしての役割を果たしています。
・表面抵抗値:外面10¹¹Ω以下、内面10¹⁰Ω以下
・製品サイズ:厚み 30μ ~ 150μ、幅 60mm ~ 1200mm
・着色:ナチュラル(透明)、ブルー、ピンク、グリーン
ガゼット袋、角底袋の別注製作も承っております。
※厚みと幅の組み合わせによって、製造できないサイズがございます。